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ME機器ヒストリデータ活用ソフトウェア | TELOG | AmpiTa

★本日の課題★
輸液ポンプから吐出されるヒストリを活用するためにデータをグループ分けせよ




輸液ポンプとは

 輸液ポンプとは、ビニルバッグや瓶に入った輸液製剤を患者へ注入するための装置です。

 点滴は、落差でもできますが、より正確に、確実に薬液を投与するためにポンプが用いられます。

 さらに厳密な管理を要する場合にはシリンジポンプと呼ばれる、注射筒を使って薬液を体内へ押し込む装置が用いられます。

 いずれにしても比較的長時間、秒(sec)や分(min)という単位ではなく時間(hour)という単位で用いられることが多い装置です。

 長時間使用することで、ときにはトラブルが発生します。
 例えば、患者が寝返りをして輸液チューブを踏んだり曲げたりしてしまい、チューブが閉塞されることで点滴ができなくなることがあります。
 そうしたとき、装置からはアラームが鳴り、その記録は本体にログデータとして保管されます。

 今回は、そのログデータの活用について、アプリケーションソフトウェアの開発を行いました。




最新機種は非接触

 従前のログデータの取り出しはRS-232Cなどのケーブルを介していたため面倒でした。

 最新機種ではNFC技術を使った非接触通信が可能となりましたので、データの取り出しの選択肢が広がりました。




エラーの再発防止

 輸液ポンプ等に係るエラーの再発防止に取り組む研究があり、筆者もそこへ参画しています。

 ログの生データを眺めているだけでは見えてこない情報を、少し見やすく変える事で発見があるのではないか、という仮説に基づいてデータ可視化を検討しています。




 ログデータを群によって分けることを行っています。

 ある警報のログがあったとき、その前後のログデータとまとめてひとくくりにし、その群から何が起きているのかを推察します。

 例えば『気泡』という警報が出た場合には本体扉を開いて気泡を除去することがありますが『閉塞』の場合は扉を開く必要はなく、別の方法で原因を取り除きます。
 本来『閉塞』のあとに『ドア』というログは残るべきではありませんが、そのログが残っていると、適正な操作をしていないのではないかと疑うことができます。
 また、管理者側が想定していないエラーが発生しているとすればそれも発見です。『閉塞』のあとに本体扉を開けなければ解除できない理由があるとすれば、それを知る必要があります。センサーに掛かった閉塞圧は、本体扉を開かないと解除されないようであれば、その行為は危険なので開かずとも解除できるように改善する必要があります。




群を作るソフトウェア

 最大1万行にもなるログ(ヒストリ)の中から、群を見つけ出してグループ分けする作業は大変です。

 それを自動化するソフトウェアを筆者が開発しました。




ImportはCSV、ExportはXLSX

 ログ(ヒストリ)データはCSVファイルで吐き出されます。それを取り込んでグループ分けします。

 出力する際にはXLSXファイルにします。
 これはMicrosoft Excelなど汎用のソフトウェアで簡単に閲覧や編集ができるように配慮しています。

 こちらで行うのはグループ分けですので、ユーザー側では更に解析のための関数などを使う可能性があると考えております。




今のところテルモ専用

 今日までの開発で他社のログを手に入れていないので、今のところはテルモ株式会社の輸液ポンプ等から出されるヒストリデータのみを編集しています。

 今後、他社のデータが手に入れば、他社のグループ分けシステムも開発したいと思っております。




 今日は医療機器の輸液ポンプからは自出されるデータを活用するための、補助システムの開発に挑みました。

 筆者も病院勤務時代には同系統の機器を触っていたので、いったい何がしたいのかということについてはすぐに理解できました。

 問題なのは、どのようなデータがあれば、エラーの再発防止に資するのかと言うことです。

 本研究はまだスタート地点、データのグループ分けができたところですので、これから研究の本質的なところへと進んでいきます。

 ソフトウェアの開発についてはニプロやトップ、JMSなど他社にも及ぶことになると思います。

 エラーからの推察については、しばらく検討や考察が続くと思います。

 主たるユーザーである看護師さんが安心して使えるME機器になるように、研鑽を重ねて参ります。

 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

継続

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