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医工連携・事業化推進

『Amazonが仮想薬局』 -本日の話題-

★本日の話題★
Amazonが処方薬を販売




Amazon Pharmacy


処方薬販売

 Amazon Pharmacyは処方薬を販売するネット通販です。

 処方箋をAmazonに送り、Amazonが家へ配送するという仕組みなので、注文の方法に特徴はありますが、従来のAmazonのサービスと大きくは変わりません。

 今のところ、米国でのサービスです。

Amazon: Introducing Amazon Pharmacy: Prescription Medications Delivered, Press release, November 178, 2020



既製医薬品

 小さな引き出しがたくさんある薬棚から材料を出してきて、乳鉢でゴリゴリと混ぜて調合し、なんとなく苦そうな薬を渡されるという、そんなイメージの調剤薬局が昔はあったと思います。

図画出典 スタジオジブリ: 千と千尋の神隠し(2001)


 現在の医療用医薬品の内服薬といえばタブレット型が主流、たまにカプセルもありますが、粉薬はだいぶ少ないと思います。

 湿布薬や禁煙パッチなど貼付薬(外用薬)も含め、調剤薬局で調製されるのではなく、医薬品工場で調製済のものが街の調剤薬局にも患者の手元にも届けられている事が多いです。



医薬品は物販

 医療用医薬品は処方箋や保険など独特の過程がありますが、中身は食品や雑貨品などと同じように『仕入れて売る』という物品販売と似た形になります。

 何もかもがネットスーパーで買物できる現代において、医薬品が買えないということが不合理、時代遅れなのかもしれません。



物販ならアマゾン

 日本でも米国でも、物販業界において存在感が大きいAmazonが、医薬品も物販であると位置づければ進出してこないはずがないと思います。




Amazon Pharmacyのサービス


24時間対応

 薬剤師が24時間・年中無休で質問に答えます。

 処方薬が必要な人に、いつでも対応するというのがAmazon Pharmacyの方針だという事です。



2日以内の配送

 Amazon Prime会員であrべあ、注文から2日で処方薬を受け取ることができ、その配送料は無料とのことです。



価格比較ができる

 国民皆保険制度の日本人にとってはあまり馴染みのない感覚ですが、米国では民間保険加入者が圧倒的に多いので、医薬品の価格に対してもシビアです。

 加入している保険によっては医薬品の自己負担が3割の人も居れば5割の人も居ます。

 Amazon Pharmacyでは処方薬の自己負担額と、保険不使用のジェネリック医薬品の販売価格を比較して、安い方を選ぶ事ができます。

Amazon Prime: Amazon Pharmacy



主に慢性期

 医薬品は手渡しされる訳では無いので、急性期疾患には不向きです。



Schedule II は含まない

 もう1つ特徴的なことは、乱用の恐れがある医薬品を扱わないことです。

 Schedule IIにはメタンフェタミンやコカインなどの医薬品が含まれていますので、こうした物はAmazon Pharmacyでは買えないという事になります。




仮想ヘルスケアアクセス


Withコロナ時代

 COVID-19の渦中にある現在では、医療機関へのアクセスどころか外出も自粛する人が増えています。

 仮にCOVID-19が制圧されたら元に戻るかと言えば、そうではないと思われます。

 『Withコロナ時代』などと言われますが"New Normal"(新常態)では、わざわざ病人が時間と足を使って薬局に行くものではないということが『常識』になる可能性があります。



仮想薬局

 仮想薬局については、以前から議論がありました。

 医師が十分に説明し、同意した上での処方箋であれば薬剤師が関与する必要があるのか、仮に関与するとしてもオンラインでも対面説明はできるのではないか、といった議論です。

 すでにオンラインでの服薬説明については実証実験が行われ、良い結果が得られていると聞いています。

 お薬の配達についても、慢性期であれば配送という手段はさほど問題では無いように思われ、社会全体としては在庫量を調整しやすくなり価格低減につながるのではないかとの意見も聴かれます。



仮想薬局は慢性期患者の念願

 慢性期患者は月1~2回の定期受診があり、その帰りに薬局へ行って薬を受け取り、そして帰宅するというルーチンがありました。

 各種検査がありますし、主治医に診てもらいたいという事で受診自体は抵抗が少ないのですが、そのあとの薬局が『なぜ院内にないのか』『主治医から受け取りたい』という声がよく聴かれます。

 脳卒中後のリハビリで、杖をついてやっと歩ける人が、クリニックから自宅へまっすぐ帰れば自力で歩けるものの、薬局へ立ち寄るとなると体力に自信がなく、タクシーを使ってしまうというのが、ヘルスケアとして健全であるのか、患者さんから問われたこともあります。



受診後は帰宅

 仮想薬局が現実化すれば、患者さんはクリニックで受診後はそのまま家に帰る事ができます。

 時間を大幅に節約できます。



帰宅途中に救急搬送された事例

 私が路上で救護した、とある高齢者の例です。

 男性は脳梗塞疑いで受診後、薬を処方されて帰宅する事になったそうです。

 男性は身体が不自由なので、奥様が調剤薬局に処方薬を取りに行き、その間に男性は1人で独歩帰宅途中でした。

 ところが卒倒してしまい、男性は救急車で搬送されてしまい、調剤薬局へ行っていた奥様とは連絡が取れないので、あとは病院に任せるしかありません。

 受診後、この夫婦が一緒に帰宅できていれば、もしかすると倒れる事も無かったかもしれないですし、仮に救急搬送となっても夫婦同時に病院に到着できたと思います。

 仮想薬局、患者側からの要望が出ています。




 今回はAmazon Pharmacyについて取り上げました。

 米国でのサービス開始ですが、ノウハウを積み上げて日本に進出してくるのは時間の問題だと思います。

 もし、このビジネスが受け入れられるのであれば、日本企業がしっかりと稼ぎ、税金や雇用の面で日本に落とせるように、今から規制緩和の準備をして、目ぼしい企業にトライアルをさせると良いのではないかと思いました。

 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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