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BCP・災害対策

『停電時に発電しないかもしれない発電機能』 -今日の課題-

★今日の課題★
停電時に発電しないかもしれない停電時発電機能付き家庭用燃料電池




はじめにお断り

 この記事は、勘違いや理解不足により停電時に発電機が使えないというピンチを迎えてしまう人が一人でも減って欲しいという想いで書きます。
 私自身が停電時に困りました。それでも、いまだに消費者が困りそうな状況を放置しているようですので、情報提供しようと思い立ちました。
 どうか攻撃的なことはしないでもらえれば、助かります。私は生身の人間です。心が病んでしまいます。




家庭用燃料電池


有名エネルギー会社のおすすめ

 この時期は『ガスてん』がショッピングモールや住宅展示場などあちこちで展開される頃ですが、今年はウェブで開催という事で前例のない状態になっています。

 住宅の新築時などにエネルギー会社からもハウスメーカーからも勧められる家庭用燃料電池ですが、非常に多くの家庭に採用され、平成時代に定着した壁掛式の小型でハイパワーな給湯器は新築で見かける事は減りました。

 家庭用燃料電池、確かに良い商品だと思います。



業務用ならコジェネレーション

 家庭用燃料電池は『家庭用』と付いているとおり、一般家庭で使いやすいようになっています。

 毎日使うお湯、給湯器で沸かして供給されますが、従来型の給湯器では単にお湯を沸かすだけで、そのときに使われる熱は急騰以外には使われませんでした。

 家庭用燃料電池では、給湯時の熱を発電にも利用するもので、効率的な発電システムであると言えます。

 家庭用に対して業務用はさらに大掛かりになり『コジェネレーション』と呼ばれるシステムになります。漢字にすると『熱電併給』となり、熱と電力を同時に発生させます。

 熱は給湯以外に冷暖房などに利用されます。

 エンジン式以外にタービン式もあり、業務用ゆえに大電力を発生させることができます。

 コジェネレーションには常用と常/非常兼用があります。



家庭用も常用と常/非常兼用

 家庭用燃料電池を買う時、カタログで説明されるのが貯湯槽の容量と停電対応だと思います。

 毎年のように台風や豪雨が襲い、停電も発生していることから停電対策を給湯器でできるならばと飛びついてしまうご家庭が多くありますが、注意が必要です。

 恥ずかしながら、我が家もそうでした。

 停電するまで知らなかったことがあります。



発電中しか停電時自立運転しない

 『それを知らない消費者が××だ』と大手エネルギー会社の社員にバカにされた2018年9月、いまでも思い出します。

 この発言に対してハウスメーカーの方が『お客さんにそのような言い方はおかしい』と反論したのもよく覚えています。

 購入時に説明があったか否かは水掛け論になってしまいますが、今でもメーカーのホームページには説明があります。

 冒頭には大きく太い文字で『停電しても使えるから安心』『停電が発生しても自立運転で発電を継続』と書いてあります。
 この文字が、そのままセールストークとして入ってきます。非常にポジティブな情報です。

 しかし、ホームページには小さな文字で『発電していないときに停電になった場合は、自立発電に切り替わりません』と記載されています。

 ここの記載が重要であり、消費者に理解させ、それを同意した上で購入したかが曖昧なままです。



常時発電はしていない

 家庭用燃料電池は設置型機器ですのでアパートにデモ機を借りて新築住宅への採用を検討するような物ではありません。使ったことがないのが普通です。

 家庭用燃料電池は常時発電している訳ではなく、簡単に言うと給湯時に発電をしており、給湯の必要が無ければ発電しません。
 また、メンテナンスで発電を停止していることもあります。

 この『発電していないとき』に停電が発生すると、自立発電に切り替わらない、すなわち『停電時自立発電機能付き』を買ったにもかかわらず、停電時に発電しないのです。

 ここは、私たち家族や、販売に関わった人が理解していなかった部分でした。



『2~3日前から停電を予想』せよ

 発電中であれば自立発電機能が使えるので、常時発電した状態で待機できるように、2~3日前からリモコンで設定すればよかったのだと、先述のエネルギー会社社員に言われました。

 停電することを2~3日前から予想できる人は居るのかどうかわかりませんが、『会社を代表しています』『社員のだれに聞いても同じことを言います』とおっしゃっていました。

 私には予知能力はないので、今後も停電を予想した使い方はできないので、『停電時自立発電機能』を使う事ができるのは、滅多にない停電の、給湯器が発電しているタイミングと重なったときという非常に稀な機会に遭遇したときになりそうです。

 私たち家族は、能無しというご指摘のように感じました。



マイホームBCP的に

 私はBCPコンサルタントですので、我が家のBCPも検討しています。

 BCPとは事業継続計画ですが、自宅であれば家族が安全に、衛生的に生活が継続でき、可能な限り生活の質を落とさないことが目標となります。

 そのために家庭用燃料電池も買いましたが、ここは潔く計画から家庭用燃料電池を外しました。

 太陽光発電とカセットガス式可搬型発電機の2段構えで52時間の停電を乗り切れましたし、その可搬型発電機で家庭用燃料電池の給湯器部分は稼動させることができたので、停電時自立発電機能付き家庭用燃料電池は無かったことにし、単に貯湯槽付きの給湯器があるという事にしました。

 停電予知の方法が確立されたら、また考えます。



在宅人工呼吸療法BCP的にはNG(?)

 家庭用燃料電池のホームページや取扱説明書には『電源が切れると生命、財産に損害を受ける恐れがある機器には接続しないでください』という記載があります。

 人工呼吸器を接続して、発電機が停まったらことが原因で死亡事故が起きては困るという意味合いだと思います。

 私宅では、仮に人工呼吸器装着の家族が居ても、停電を理由には死なせないぞという意気込みで安全策を講じています。

 おそらく、電源があるのだから人工呼吸器を家庭用燃料電池に接続すると考える人は少なくないと思います。

 エネルギー会社さんからは『絶対にダメだ』『何があってもダメだ』、目の前に死にそうな人が居ても『ダメ』と言っていました。
 お立場があるので、仕方ないですが、奥深いところまでいくと生命倫理にも関係しそうなので、いずれどこかでディスカッションしてみたいテーマです。

 我が家に人工呼吸器装着患者は居ませんが、もし近所で困っている患者が居たら、太陽光発電でも可搬型発電機でも良いので電源を貸してあげるつもりでいます。




新たな電源への挑戦


停電を補う

 2011年3月までの私の研究では『停電に強い病院づくり』でしたが、東日本大震災や計画停電を目の当たりにして、『停電しても強い病院づくり』をテーマに研究をしてきました。

 その波及として、在宅人工呼吸療法患者が停電を理由に病院へ行かなければ病院の発電機にも余力が残り、同時に看護師らのマンパワーへの負荷も軽減できると考え、在宅での電源確保の研究にも取り組んできました。

 在宅については2018年の台風21号で実証できましたので、一段落としています。

 2020~2021年は大きく2つの電源確保に取り組みたいと考えています。いずれも医療機関を想定しています。



大型発電機と大型蓄電池

 2つの取組みの1つは大型発電機です。

 施設に設置して使うタイプですが、大病院ではなく中小規模やクリニックに1台設置するようなイメージです。

 一般的に消防法や建築基準法に基づく非常用発電機は設置されていますが、医療の用に供する発電機の設置は少ないです。その足らずを補う目的で設置する発電機を想定しています。

 もう1つは蓄電池です。

 発災時に進行中の手術や処置が終わるくらいまではフルに電源を使えるように、あるいは人工呼吸器等を装着した患者を他院へ搬送開始できるまでの時間を稼げるように、蓄電池を使えないかと検討しています。

 前述の発電機と蓄電池を組み合わせることで、例えば本院の発電機でサテライトクリニックを救うような事もできると思います。
 震災時には安全な建物に患者を集めるため、発電機が行き届かないこともありますが、蓄電池を使ってエネルギーを運搬できれば臨機応変な対処ができると思います。



善意の電源

 2018年の台風21号の直後、近くの町工場の社長に工場の非常電源を医療に提供できないか打診しました。

 すると『サーバーを停止させてしまえば使って貰えます』という快い回答が得られました。

 このときは復電が進み借りる必要はありませんでしたが、今後はこのような善意を引き出す仕組みも必要だなと思っています。

 台風シーズンであればエアコンなしでも凍えることは無いと思いますので、電源がある工場や倉庫へ在宅患者を一時的に避難させ、そこから医療機関等へ避難させるといった仕組みも考えなければなりません。

 指定避難所や福祉避難所以外へ避難した人は行政に情報が行き渡らないという通説を、変える仕組みが必要です。




 今回、ガスてんをきっかけに家庭用燃料電池の資料を見る事となり、何年も前に課題として指摘されたことを放置して、いまだに消費者が理解しないのが悪いというスタンスであったので、ここに書いてしまいました。

 痛烈な批判や非難があれば、この記事は削除するかもしれませんが、停電時に使えると思い込んでいる人が、停電後にピンチにならないように、情報を発信しようと思いました。

 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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