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BCP・災害対策

病床が逼迫するまで患者発生を容認? ~今日の課題~

『BA.5対策強化宣言』

 本日発表された政府の『BA.5対策強化宣言』に関する情報では、『病床使用率が50%を超える』『中等症以上などの医療負荷大』など一定以上の医療の負荷が見られた場合に適用されるとのことでした。




医療負荷が軽ければ対策不要?

 コロナ患者が多いと医療崩壊が起こるので、それを回避するために対策を強化することには理解が及ぶと思います。

 しかしながら、医療が逼迫する以前に、医療は平時の一般診療を生業としているので、コロナ患者を診ることは年次計画には入っていません。

 患者を発生させないということが政府の仕事ではなく、増えてきたらセーブするという位置づけになっています。




医療崩壊は無いのか?

 医療は人道的な事業なので、生命危機に瀕している患者が居れば診療するのが筋です。

 その本筋を全うしたいと思っても、来院する患者をコントロールできなければ、崩壊は起こります。

 ここ1週間くらい、内科診療所は開院前から大行列、30~50人くらい並んでいることも多いです。
 COVID-19の関連症状を発症しているような感じではなく、濃厚接触のためのPCR検査に来ている人が多いです。

 比率として検査の人が多いですが、発熱や鼻水などの症状が出ている人も少なくないので、その人たちがCOVID-19の陽性/陰性の確認はしたいでしょうし、何よりも症状に対する治療は早急に開始したいと思っているはずです。
 その思いは医療側も患者側も同じだと思います。




長期的な崩壊可能性

 平時に主力としている医療、例えば消化器内視鏡検査と治療が中核である医療機関が、数か月間コロナ対応に追われてしまうと、元の仕事に戻ろうと思っても患者が他院へ流出してしまっている可能性があります。

 また、検査によって治療すべき患者が発見されることが多いため、週3日検査して週2日手術するようなスケジュールを組んでいる医療機関では、検査が止まっている期間は手術がありませんし、一般診療を再開しても数週間は手術対象の患者は見つからないと思いますので、収益に与えるダメージは少なくありません。

 本来の事業ができなければ、事業は崩壊します。
 医療機関の事業崩壊は、地域から医療機関が消滅することになります。




医療は地域性

 医療は地域性が強いです。

 出血しているのに、電車に乗って何時間も移動する人は少ないと思います。

 概ね20km圏内の医療機関を受診するケースが多いのです。

 開業医が、コロナ対応をして本業が上手く行かなくなったからといって、儲かる場所へ移って開業すれば良いというものでもありません。

 仮に、この開業医が移転先で事業を成功させたとしても、この移転元となったエリアからは開業医が1人居なくなることになります。

 もし、市内に1軒しかない診療科が消滅すると、市民は市外へ行くしか方法がなくなります。




小児科は6月頃から逼迫

 既に6月には学級閉鎖になるクラスもあった小中学校ですが、必然的に地域の小児科は混雑します。

 誰かに症状が出てコロナ陽性が判明、濃厚接触者が検査を受けて陽性判明、それがクラス中に広まり無症状でも検査を受けに行くとなるとすぐに20~30人の検査になります。
 兄弟が居れば更に増えます。

 小児科は喘息や皮膚炎など一般診療でも忙しいところ、休憩時間を潰して発熱外来、その発熱外来が休憩時間ではさばけないほどに混雑し、さらに陽性者が出れば報告書も作成しなければならないので、若い先生でもお疲れの様子です。




患者を増やさない対策はしないのか?

 旅行を促進する県民割などは対象者が多いので決定から実施までが早い印象があります。

 これらのキャンペーンの恩恵を受けたいと思う人は、外出するようになります。

 感染対策をしていても、少しの気の緩みで、思わぬところから感染してしまうかもしれません。
 自宅に留まっていればリスクゼロのところ、外に出れば少しはリスクが高まる、その可能性をゼロで割り算すると無限大です。

 患者が増えるまでキャンペーンをするのではなく、患者数が少ないことを維持するためのキャンペーンが必要なのではないかと思います。

 ニューノーマルや新常態という考えが必要だと2020年ころはよく言われていました。
 旅行や外食がしづらい状況であれば、新しい娯楽をつくり出す方向へ進み、業態転換を促すことも必要かなと思います。




政治家に期待

 マスコミなどがどう報じるかはさておき、政治家には様々な意見が飛んできていると思います。

 旅行業の意見、飲食業の意見、医療業の意見、持病を持つ人の意見、学生の意見、外国人の意見、それは多種多様です。

 その意見のどれに共感するか、どれを政治家として発言していくのかは、その政治家個人の裁量だと思います。

 旅行業界からの献金が多いから旅行業の肩を持つということはないので、政治信念に基づいて意見を述べていると思います。

 今後、国民が受ける医療が高嶺の花にならないように、いつでもアクセスできるこれまでの医療を維持してもらいたいと願っています。

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