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BCP・災害対策

『自助を考える:迫る危機と避難』 -今日の課題-

★今日の課題★
危機が迫る中での避難と自助について考える




危険が迫る


危険予知

 地震を予知する事はできませんが、悪天候は予想ができます。

 津波は予想できませんが、津波による被害はある程度予想ができます。

 強盗が来たらどうなるか、臨家が火災になればどうなるか、家の前の電柱が倒れたらどうなるか、色々なシミュレーションができます。

 危害を加える要因自体が同じでも、受ける危害の程度は人それぞれ違います。
 例えば泳げる人と泳げない人では、プールに落水しただけのことであっても受ける危害に大差が出る可能性があります。



ハザードマップ

 ハザードとは危害といった意味がありますが、何らかの災害要因により、どの程度の危害が予想されるかを地域ごとに著したものがハザードマップです。

 例えば津波ですが、どのエリアに何メートルくらいの浸水が想定されるかを示すマップがあります。
 私は海なし県育ちですので無縁でしたが、今は海もそう遠くないので、海抜などが気になります。

 どの地域でも身近なものとして河川氾濫や内水氾濫があります。
 冒頭の写真がまさに内水氾濫の危険が迫るものです。

国土交通省: ハザードマップポータルサイト



避難準備情報

 台風などが近づくと『避難準備・高齢者等避難開始』が発令されることがあります。

 これは、避難をすること自体が大変な作業となってしまう高齢者らに、早めに避難所に来ておいてくださいというものです。

 過去、いくつかの災害で消防士や消防団員が高齢者らの避難を支援している中で被災し、命を落としています。

 早めの避難は、避難する人の生命だけでなく、助ける側の生命にも直結しています。

内閣府(防災担当): 避難勧告等に関するガイドラインの改定 ~警戒レベルの運用等について~




避難すべきか否か


早くに避難

 歩行器があれば散歩ができるという高齢者が、強い風雨の中で歩く事は容易ではありませんし、仮に5cmでも浸水していたら前に進むことも危ういです。

 であれば早く避難すれば良いかというと、そのタイミングも大事になってきます。



早すぎる避難

 台風が来るまでまだまだ時間があるが、今しか移動できないと判断して動き出す危機感の強い世帯は少なくありません。

 しかし、行政の避難所開設とはミスマッチなことがあります。

 避難所に行ってもカギが開いていない、地域でカギを持っている自治会担当者が危機意識が薄いと、半日前から来る人は居ないと考えて活動が開始されていないことがあります。

 せっかく自主的に避難しても、ミスマッチが起こってしまうのが現状です。



タイミングが合わない

 ある年、自治体から洪水になりそうな地域は土嚢を予め土嚢を取りに来るように言われました。

 ただし、土嚢の配布予定時刻は暴風雨到来が予想されている時刻よりもあと、土砂降りの中で取りに来るようにとの事でした。

 私はバイクしかなかったので、土砂降りでもバイクで土嚢を取りに行き、雨で重くなった砂袋をバイクに積み込む必要がありました。
 しかも1回で詰める量と、必要な量が合わないため最低2往復は必要という状況。

 自治体職員さんも懸命に土嚢に詰める作業をしておられたので市民は何も言えませんが、土嚢に詰めるボランティアを募るなど早めの対策と市民活動がマッチすれば、市職員を危険にさらすことも無いだろうと実感しました。



地域特性を鑑みる

 東日本大震災の視察で行った沿岸部のある地域で、住民と行政との取り決めがなされたという話題を耳にしました。

 2011年3月11日に、多くの消防団員や消防署員が命を落としたとのことで、その要因には避難誘導や介助などがあったという事でした。

 そこで、地震発生から一定時間内に高台に避難できないのであれば転居するか、避難の手助けが来なくても仕方ないということに住民が同意したという主旨のことをうかがいました。

 生命に危害が及ぶ津波が到達するまで30分とした場合、高台までの避難を10分とすると活動できる時間は20分、この僅かな時間に出来ることは限られています。

 住み慣れた地を離れることは簡単な事ではありませんが、地域の持続性を高めるのであれば、老いも若きも、健常者も障害者も生命を大事にしなければなりません。




個人の避難基準


行政に頼らない

 行政が発表する避難準備情報などは万人向けではありませんし、警報が出てからの避難では遅すぎるかもしれません。

 行政に避難情報の提供について詰めよっても、行政ができる事の限界があるので期待する回答は得られないかもしれません。

 自ら、どのレベルだと避難ができなくなるのか、あるいはどの程度の災害なら避難所へ行く事になりそうか、ある程度の基準を持っておく必要があります。



マイ避難基準

 具体的な数値を決める必要はありませんが、検討してみることが大事です。

 私の場合は以下の項目を検討しています。自治会等の災害コンサルをする際にも下記項目を検討してもらいます。

○避難経路上の障害
○避難にかかる労力
○自助では対応しきれない被災

 避難経路上の障害とは、例えば車椅子やベビーカーで小学校まで行く経路上の段差や歩道橋などが挙げられます。災害を想定すると冠水しそうな地下道や橋なども障害になります。

 避難にかかる労力とは、自分の足腰の問題、車いすの家族を押すことなども労力です。
 乳幼児が居ると、普段のベビーバッグでは足りないので、大荷物になると思います。
 現状、自家用車での避難を許している避難所が少ないので、場合によっては車で家族を送ったあとに、高台に車を避難させて、お父さんは30分や1時間、大雨の中を歩くかもしれません。

 自助では対応しきれない被災とは、どのような規模や種類の災害が自らの生命や財産に危機が迫るかを検討します。

 私の出身地では、利根川や江戸川に氾濫の危険が迫ると、その周りにある河川は水門が閉められて先に氾濫を起こしていました。
 毎年、近所の川は氾濫し腰程度の高さまで洪水になっていました。床下浸水は当たり前、少し低いお宅では床上浸水していました。

 このような地域では、台風直撃が予想されるときには、どの世帯も避難の必要性がありますし、団塊世代が移り住んだ住宅街なので高齢化も深刻化したいま、昔以上に避難が必要な世帯が増えています。

 年齢や持病など、数年で変化する身の変化は的確にとらえなければ、根拠のない過信で避難が遅れ、多くの人に迷惑を掛けてしまう可能性もあるだろうと実感しています。



マイ・タイムライン

 近年、行政でも『マイ・タイムライン』を作成しようと啓発されています。

 マイ・タイムラインとは、想定しやすい脅威(災害)に対し、自身や家族がどのような行動をとるかをシミュレーションし、具体的に時系列に沿って書いたものです。

 タイムラインが存在することも意義深いですが、これを作成するためには脅威について知る必要があるため、地域のハザードを確認することになります。

 意外と知らないのが職場などの最寄りの避難所です。
 私の居た会社では総務でも営業でも、自社のハザードを知らないという状況でした。何千万円分もの在庫がある倉庫が浸水する恐れもありましたし、社員が孤立してしまう恐れもありました。

国土交通省関東地方整備局: マイ・タイムライン

東京都防災ホームページ: 東京マイ・タイムライン

大阪府: おおさかタイムライン防災プロジェクト




発災後の避難


危険が伴う

 発災後の避難には一定の危険が伴います。

 浸水していれば側溝やマンホールに落ちて溺れるかもしれません。

 暴風であれば飛んできた瓦に当たるかもしれません。

 地震であれば、道路が陥没しているかもしれません。

 発災後の避難には、危険が伴う事を理解しておく必要があります。



自宅待機(自宅避難)

 避難する行為自体が危険であれば、避難しないという選択肢を持つ必要があります。

 自宅避難などともいわれていますが、要は自宅から出ずにその場に居続ける事です。

 いわゆる『自助』になる訳ですが、避難所ではないので物資や環境はすべて自前になる覚悟が必要です。

 水や食料、電気やガスなど、枯渇すればそれきりです。

 上下水にトラブルがあって水洗トイレが使えなければ、それきりです。

 自宅に残るということにも一定の危険がありますので、避難することの危険と対比して考える必要があります。



やはり避難

 一定の危険は承知した上で、家に居るよりましだと判断すれば避難を開始します。

 リスクを低減させるために、安全装備を装着します。

 大雨であれば傘より合羽、ヘルメットにヘッドライト、長靴か安全靴、ライフジャケットを着て出発します。

 という程の装備が家にある人は滅多にいないと思いますが、自助として近しい物を備えておくと良いと思います。

 避難所までの道程で身を守るための装備と、避難所到着後の着替えなどが最低限の荷物だと思います。

 避難することのリスクを、最小化します。




避難時装備品


ヘルメット

 ミドリ安全のヘルメットです。工事現場で、比較的軽作業の方々がかぶっている物です。

ヘッドライト

小型ライトを多数ラインアップするブランドのヘッドライトです。避難時、これとヘルメットの組み合わせは必須だと思います。記録を残したい方はアクションカメラも併用すると良いです。

ライフジャケット

釣り具や自転車部品のシマノのライフジャケットです。生命を預ける物なので、それなりにしっかりした縫製の物を選んだ方が良いです。海釣りにでも行かなければ普段使いしないが難点です。

レインウェア

レインウェアは耐水圧で選びます。強い雨に当たっても水が透けてこない、そうした雨具が良いです。

安全靴

安全靴で有名なシモン。例えば救急隊が履いている革靴の多くがシモンだと言われると、なんだか良さそうな気がしてきますが、確かに滑りづらいし、長時間履いていても疲れにくいです。私も災害用に1足用意しています。避難だけではなく、瓦礫の片づけなどでも安全靴や役立ちます。

グローブ

3M(スリーエム)の再使用できるタイプの作業手袋です。ストレッチがきいて作業がしやすいです。




 今日の課題は、危機が迫る中での避難でした。

 しっかりと装備をすることで、避難中のリスクを低減でき、場合によっては自宅に留まるよりリスクが低くなるかもしれません。

 高齢化が進む地域はたくさんありますが、少し前まで活発だった団塊世代中心の地域も、だんだんと避難することに課題を抱える人も増えてくると思いますので、地域としても検討が必要かもしれません。

 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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