カテゴリー
ICT・AI・robo

1,260円で買ったHandycamの『E:61:00』を改善 ~今日の課題~

★今日の課題★
ヤフオク!で1800円で落札したハンディカムのエラー『E:61:00』を解消できればウェブカメラ化できるという事で、修理にチャレンジしました。




SONY Handycam

ハンディカム(Handycam)

 ハンディカムはソニーのビデオカメラブランドです。

 ソニーによると、ハンディカムの初号機は1985年の『CCD-M8』だそうです。
 当時のカメラと言えばVHSかベータかという争いから8ミリという新規格に移行した頃です。
 『Hi8』(ハイエイト)という言葉がTVCMで流れていた事を思い出します。

[Link] SONY: ハンディカムの歴史

 1986年~1992年に放送された加トちゃんケンちゃんごきげんテレビという番組では一般の視聴者のホームビデオの投稿で構成されるコーナーがありましたが、ビデオカメラが普及した時期だったと思います。

 現在のハンディカムは3万円前後で買えるエントリーモデルから、10万円ちょっとで買えるハイアマチュアモデル、20万円くらいのセミプロモデルまでラインアップされています。


 ソニーには他にもカメラブランドがあり、コンパクトデジタルカメラ(コンデジ)のCyber-shot(サイバーショット)、一眼レフカメラのα(アルファ)、業務用ビデオカメラのNXCAM、映像制作機材のXDCAMなどがあります。

参考 SONY: ハンディカム


ハンディカム生産完了品

 ソニーのハンディカムは1985年からの歴史がありますが、これまでに数十ものモデルが発売され、廃番となっています。

 今回、この廃番になったハンディカムを活用したテレワーク・リモート会議のツールについて話題にしています。

参考 SONY: ハンディカム 生産完了品




1,800円のハンディカムはエラー付き

 ヤフオク!でビデオカメラを検索すると5千件以上ヒットします。

 ソニーで絞り込んでも1千~2千件のヒットがあります。

 その中で概ね2010年以降に発売されたであろう物を探すと半分以下に絞り込めると思います。


 例えば2010年発売のHDR-CX170というハンディカムをヤフオク!で検索すると常時20件くらいがヒットします。

 相場でいうと、本体+電源ケーブル+バッテリ1個が揃っていて5千~6千円という感じです。
 バッテリと電源ケーブルはゾロ品がAmazonでそれぞれ1,500円くらい、両方で3千円くらいになるので、もしカメラ本体だけを落札するなら3千円くらいまでを値ごろ感として持っておくと良いと思います。

 下図の中には即決価格で10,978円(送料別)や14,190円(送料別)という商品も出品されています。
 1万円以上出すと発売年ももう少し新しい物が選択肢に入ってきますので、予算によっては選びようがあります。

[Link] SONY: HDR-CX170


 ここ1年くらいで私が調達したHandycamはいずれも中古品です。

 HDR-CX270Vは本体を2,800円で落札、送料が657円かかったので総額3,457円でした。これにはバッテリが付属されていました。

 HDR-CX370は本体を800円で落札、送料が520円かかったので総額1,320円でした。

HDR-CX270V(ヤフオクで2,800円)
HDR-CX370(ヤフオクで800円)

 そのような中で今回、私はHDR-CX170を1,800円で落札しました。
 この出品ですが、実は一度見送っています。前日まで1,900円で出ていましたが応札ゼロが続いているので値下げするだろうと思って静観していたら、やはり100円(5%)下げてきました。

 すぐに入札、約24時間後に締め切られて落札者となりました。

 出品者様には1,800円が届くと思いますが、私は30%offクーポンを使ったので540円引きの1,260円しか払っていません。


 応札が無いのには理由があります。

 商品説明欄に『E:61:00エラーが出ます。ピントが合いません』と正直に書かれていますので、多くの読み手が致命的エラーがあると思ったのではないかと考えます。

 私も致命的エラーを疑いつつも、直せるのではないかと半信半疑で落札しました。

 1,260円を支払っての社会勉強のスタートです。




Lens Error Code "E:61:00"

 ハンディカムの電源を入れると、自動的に自己診断が行われます。撮影に欠かせないレンズ部分は、何かしらのしっかりした自己診断が行われるようです。

 自己診断後、レンズが捉えた映像を液晶モニタに映し出し、各種情報が画面に重なった表示になります。

 この起動時の自己診断で、画面右上に『E:61:00』と表示される現象があります。

 SONY公式サイトでその要因は『フォーカス駆動部に何らかの異常が起きています。』という抽象的な表現で、具体的に何が作用しているかはわかりません。

 サイトには『このページは役に立ちましたか?』というボタンが表示されていますが、ある意味では役立ちましたが、課題解決には至っていません。

[Link] SONY: 「E:61:00」や「E:61:01」など、「E:61」で始まる自己診断表示(エラーコード)が表示される。(ハンディカム)

[Link] SONY: 為什麼LCD螢幕上顯示E:61:00或E:61:10?


 このエラーはソニーあるあるなのか、意外と投稿数が多いキーワードです。

 直し方として多いのが『叩いて直す』です。以下に並べるリンクは叩いて直す、叩いたら直ったという投稿記事です。
 海外でも『5 hard bumps』(硬い所へ5回ぶつける)で直ったという投稿も見られたりしています。


 ちゃんとメーカーに出して部品交換したという事例もあります。メーカー修理なので、ちゃんと直っています。


 根治ではなく姑息的な対応としては、下記の方法を海外の投稿で見つけました。

  1. カメラの電源を切る
  2. カメラを下向きにする
  3. 電源を入れる

Sony DSC-TX9 Error E:61:10?

HDR-CX110 ... blinking error code E:61:00:00 auto focus doesn't work...




自力で根治

 叩いて直すのは常套手段ですが、根治するとは思えないので違う方法を模索しました。

 異常があるのはレンズ関係、そしてレンズ関係で異常が出るとすれば可動部だと推測できます。

 このカメラのレンズは2本のレールと1本の全ネジ上に載っている構造であり、全ネジが回転することでレンズが前後に移動する構造です。

 レンズの移動量は全ネジの回転数で見るか、軸上にある実際のレンズの位置を見るか、いずれかだと思います。

 今回疑ったのはこの位置センサーと、レール関係です。

 『今回』と書いたのは実は『前回』があるからです。前回は"E:62:11"というエラーでした。画面の端に黒い影が出るものでしたので、今回とは少し違いますが、ハンディカムのレンズ関係のエラーは経験済でした。


エアガンで掃除

 まず最初に行ったのが、エアガンでの掃除です。

 その前に分解は必要です。

 可動レンズ部を露出し、直接エアガンで空気を吹き付けました。

 何度も繰り返しましたが、何かゴミが出て来るとかいう様子もなく、エラーは消失しませんでした。


今回使用したエアコンプレッサーです。コンパクトなので、家の中に置いています。

シリコーンオイル

 レンズを移動させると前端および後端に到達しても動き続けようとしてジーッという音がしていました。

 音の原因が何なのかよくわかりませんが、摺動性に問題があるのではないかと疑い、思い切ってシリコーンスプレーを塗布しました。

 1,260円だから出来る行動です。45,500円ならやらなかったと思います。


シリコーンスプレーです。私の手元にあったのは古いパッケージの赤い缶でしたが、今は白い缶で売っています。クリンビューでなても556で有名なKUREなどでも問題ないと思います。目的は摺動性を良くすることです。



シリコーンオイルで直った

 結果として、思い切ったシリコーンオイル塗布という手段が奏功してエラー『E:61:00』は消失しました。

 硬い所に5回ぶつける修理方法も雑さがあると思いますが、シリコーンオイル塗布も雑さがあったと思っています。

 一応、キレイに拭き取って、カメラを組み立てて、レンズを前後に動かしてみても異常はなく、家の中でウェブカメラとして使うには問題なさそうでした。




根治プロセス動画

 分解から根治(だと思う状態)に至るまでの一連の作業を動画で撮っていましたので共有します。

 本来は分解して、ネジの位置がわからなくなった時のために撮影していたのですが、修理が上手く行ったようですので公開しました。


ベッセルの精密ドライバーです。刃先は0番です。動画の中で映っている製品です。私はドライバーに関してはベッセルを全面的に信頼して使用しています。ペンチなどはフジ矢を使うなど、それぞれに良いメーカーを選んでいます。



アクセサリ注文

 今回落札したHDR-CX170には電源アダプタもバッテリも付属されていませんでした。

 私は手元に同型の物があったので修理中はそちらを流用していましたが、修理できたのでHDR-CX170用に電源関係のアクセサリを注文する事にしました。

 机上でのリモートワーク専用なのでACアダプタだけでも良いのですが、先日講演中に少しだけカメラ位置を動かそうとしたときに線が抜けてしまい焦ったので、安物でも良いのでバッテリを搭載しようと思いました。

 ACアダプタとバッテリは純正品ではなくゾロ品、どちらも1,500円くらいで買う事ができました。

HDR-CXから始まるハンディカムに広範に対応するACアダプタです。コネクタ部は歪みなどは無さそうで、純正品と抜き差しの抵抗感は差を感じません。ネット通販で色々と候補が出てきますが、写真をよく見ると表示が同じなので、もしかすると同じ工場で作られているかもしれません。

ハンディカムに広範に対応するリチャージャブルバッテリです。専用充電器も売っていますが、カメラ本体に取り付けてACアダプタを接続しておけば充電できます。ヤフオクでカメラと一緒にバッテリも同梱されて来ればそちらでも十分機能するとは思いますが、運動会など長時間屋外で使用するのでれば10年落ちの電池で不安になるより、新しい物を持っておく方が良いと思います。



HDMIスルー

 カメラは調達できましたが、ウェブカメラとして使うためにはHDMIスルー出力(クリーン出力)できる必要があります。

 今回調達のHDR-CX170は2010年発売の比較的古いカメラですが、HDMIスルー出力には対応していました。

 まずMENU画面を開き、『画面表示出力』というボタンを押します。すると選択肢が2つ出てくるので『パネル』しか書いていない方を選択します。

 この操作で、カメラ本体の液晶画面には操作画面が表示されたままになっていますが、HDMI出力した先のディスプレイには、カメラで捉えている映像だけが出力されます。


 パソコンとハンディカムの接続にはHDMIケーブルとキャプチャデバイスが必要になります。

 HDMIケーブルは消耗品のようなもので、抜き差ししていると壊れることがあります。
 以前はAmazonで1本1千円のケーブルを買いましたが、消耗品だと気づいたので昨秋は10本セットで3千円の物を買いました。

 キャプチャデバイスとは、HDMI入力信号を、USB入力信号に変えてウェブカメラのように画像データを取り込むツールです。
 私が使っているのはChilisonという1ch用の小さいデバイスと、ATEM Mini Pro ISOという4ch対応のプロっぽい大きなデバイスです。今では8chの物が値下がりして登場しているので、このあたりのスイッチャー兼用のキャプチャデバイスは1台持っておくと便利だと思います。
 単チャネルも多チャネルもどっちも良いですが、1chの方はかなり熱を持ち、2時間以上使用しているとダウンする事がありました。講師を務める場合には使わないようにしています。

 多チャネル用を使う時にはサブモニタが欲しいです。
 外出先でリモート講演するときにも重宝するのですが、モバイルディスプレイを1台保有しておくと良いです。私はアイリスオーヤマの物を使っています。かなり軽いです。


 HDMIスルーについては過去の記事でも触れさせて頂いております。HDMIスルー(クリーン出力)とはどういうものなのかは『概要編』に、各機種毎の対応状況は『機種編』で触れています。

概要編
機種編



保有機比較

 現在保有しているハンディカムを比較してみました。

 いずれも発売時期が近いので大差はありませんが、レンズ部分が少し違うので、机の上に置いてウェブカメラ化するときに背景の映り込みなどに多少の影響があります。

HDR-PJ20HDR-CX170HDR-CX270VHDR-CX370
発売日2011年2月2010年1月2012年1月2010年1月
総画素数420万画素420万画素543万画素420万画素
センサー1/4型
Exmor R
CMOS
1/4型
Exmor R
CMOS
1/3.91型
Exmor R
CMOS
1/4型
Exmor R
CMOS
光学ズーム30倍25倍30倍12倍
F値1.8-3.41.8-3.21.8-3.41.8-3.4
f 35mm
動画
29.8-
894
37-
1,075
29.8-
894
29.8-
357.6
f 35mm
静止画
32.5-
975
39-
975
29.8-
894
29.8-
357.6
レンズGレンズGレンズGレンズGレンズ
液晶3.0型2.7型3.0型2.7型
ハイビジョン
4K
記憶容量32GB32GB32GB64GB
プロジェクタ
HDMIミニミニミニミニ
公式Web公式公式公式公式
調達先ヨドバシヤフオク! ヤフオク! ヤフオク!
状態新品中古中古中古
調達価格45,500円1,260円2,800円800円
追加送料無料無料657円520円
調達日2011/092021/092020/082020/10




最新機種との比較

 10年落ちのハンディカムと現行機種を比較してみました。

 HDRシリーズでは270、370、470と似た数字が並びますが、デバイスの仕様も似ています。

 仕様表には反映しづらい『手ブレ補正』や『スマイルシャッター』などの機能は10年で相当進化していると思います。

 新品を買うと、当然ながら保証が付いてきますし、傷1つない商品が届くと思います。SONYの実績として、10年経過したハンディカムが現役で使われているという事を加味すると、いま新品を買えば2030年も現役で使える事が期待できます。

 新品には付属品としてバッテリ(NP-BX1)、ACアダプタ(AC-UUD12)、HDMIマイクロ端子ケーブルなどが付いてきます。このバッテリはAmazonでも5千円、ACアダプタも3千円程ですので合わせて8千円の価値があります。
 市価3万円のカメラからアクセサリの価値8千円を引いた2.2万円がカメラ本体の価格だとすると、2万円台の中古より3万円台の新品をと考えたくなるところです。

 参考として載せたFDR-AX45は4K対応のハイアマチュア向けなので約10万円ですが、周辺機器との連携や拡張性が高いことが特徴です。一眼レフも比較に入るレベルなので、ここは慎重に選びたいところです。

FDR-AX45HDR-CX470HDR-CX270VHDR-CX370
発売日2018年2月2017年4月2012年1月2010年1月
総画素数857万画素251万画素543万画素420万画素
センサー1/2.5型
Exmor R
CMOS
1/5.8型
Exmor R
CMOS
1/3.91型
Exmor R
CMOS
1/4型
Exmor R
CMOS
光学ズーム20倍30倍30倍12倍
F値2.0-3.81.8-4.01.8-3.41.8-3.4
f 35mm
動画
26.8-
536.0
26.8-
804.0
29.8-
894
29.8-
357.6
f 35mm
静止画
26.8-
536.0
26.8-
804.0
29.8-
894
29.8-
357.6
レンズZEISS
バリオ
ゾナーT
ZEISS
バリオ
テッサー
GレンズGレンズ
液晶3.0型2.7型3.0型2.7型
ハイビジョン
4K
記憶容量64GB32GB32GB64GB
HDMIマイクロマイクロミニミニ
基本電池VシリーズNP-BX1VシリーズVシリーズ
本体質量510g190g205g320g
公式Web公式公式公式公式
Amazon105,900円30,827円

光学30倍ズーム、32GBの記憶容量を内蔵するソニーのハンディカムです。本体重量は190gなのでかなり軽く、長時間の撮影でも手が疲れにくいです。iPhone Xが174gなので、だいたい同じくらいの重さです。



 今回はエラー発生を承知の上でハンディカムを調達し、自ら修理してエラーを解消することができました。

 故障品なので安く出品されていたオークション品を、クーポンを併用して更に安い価格で落札できたので良かったです。
 市場では1,800円で落札する価値もないと思われて私が落札、支払いは1,260円で済ませ、修理してしまえば数千円の中古カメラと差はなく使用できています。

 この新社会・新常態ではリモートですべき仕事が増えますので、カメラの取扱いについても考えが変遷していくと思います。

  来月は見本市会場で展示会があり、出展を担当しなければならないのですが、第5波が収まっているとは思えないので、ブースをリモート管理しようと思っています。今回調達のカメラが早速役立つと思います。

 無人化するので、盗難や損傷のリスクがあるので、またヤフオク!で類似品の落札にチャレンジしたいと思います。

 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

解決