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備蓄できない医療

マンパワー

 医療は紀元前のヒポクラテスの時代から続く伝統的な技術であり、人への依存が高いのが特徴です。
 それは医療機関の収支をみても、人件費率が5割前後の病院が多く、往診専門の診療所などでは更に比率が高まる場合もあります。

 災害が起きた時、工場であれば操業停止、商店であれば臨時休業ができます。
 医療の場合は発災後に患者が殺到し、元々入院中の患者数に適したスタッフしか居ないところに多忙のピークがやってきます。

 人は備蓄しておけないため社会全体からみた『医療備蓄』は課題が多くあります。



災害医療

 阪神淡路大震災では建物の倒壊などによる外傷性の死亡例が多発し、災害時に特化した医療が検討された結果『災害拠点病院』が整備され、EMIS(Emergency Medical Information System: 広域災害・救急医療情報システム)が運用されるようになりました。

 またDMAT(Disaster Medical Assistance Team: 災害派遣医療チーム, 通称ディーマット)が養成され、その後の災害で活躍してきました。
 東日本大震災では多くのDMATが被災地に入りましたが、津波被害の大きかった地域では外傷患者は少なく、慢性疾患を患う患者が定常的に服用する薬が足りないなど、新たな課題にも直面しました。



災害時の医療

 災害医療に特化したトレーニングを受けているDMATや災害拠点病院のスタッフとは別に、そのようなトレーニングを受けていない医療従事者の方が圧倒的に多く、平時の医療はこれら全体の医療従事者が居るお陰で成り立っています。

 その平時医療も、災害が起きたからと言ってすべて取りやめる訳にはいきません。
 災害拠点病院以外は災害時の備蓄についても人材育成についても補助金などを受けらえる訳ではなく、各院の自前の予算と医療従事者の向上心に任せて体制が整えられています。

 災害により受けたケガなどは災害拠点病院で手当てを受けられると思います。
 しかし、災害医療ではない頭痛や発熱などについては、発災後も診療を続けている一般の医療機関を頼らざるを得ません。



備蓄不可分を補う

 現状では災害拠点病院については『受援』という形でDMAT等の人的支援を受けて災害医療を成り立たせています。災害時に専門家が続々と集まるため、備蓄困難である医療の弱点を補っています。

 一方で一般の医療機関ではマンパワー不足が深刻です。
 頭痛であれば多少の我慢をお願いできますが、産科では待ったなしです。

 この課題を医療機関だけに押し付けていても、何も解決できません。


日本経済新聞:震度7そのとき医療は 基幹病院も機能不全 熊本地震2カ月で検証 耐震化6割止まり (2016年6月19日)
厚生労働省:災害医療





医療界では支えきれない

逼迫する社会保障費

 高齢者の絶対数が増え、高齢化率も上昇し、必然的に医療費は増加します。
 総額としての医療費を抑制すると、医療機関の収入源となり、人件費率が高いことから医療従事者へ直接的に響いてきます。

 災害時にどのような医療を提供するのかについては災害拠点病院は厚生労働省の所管事業として進められていますが、それ以外の医療機関が災害時にどのような医療を提供するかは決まっていません。

 医療は地域性が強いと言われ、大病院でも7割程度は近隣から来院していると言われています。
 災害で混乱すれば、なおさら地域性が高まり、遠方にある医療機関を頼ることができなくなります。

 医療機関には社会性がありますが、各法人が独立して採算をとる民間企業のようなものです。

 身を削って災害対応するにも限界があります。



公金が入らないなら民間で支える

 市役所の職員さんに『ここから歩いて行ける災害拠点病院はどこですか』と聞いても即答できません。
 さらに『あのショッピングモールに居る時、災害拠点病院までどうやって行きますか』と聞いても、最寄りの災害拠点病院がわからず、道もわかりません。

 災害が起こればそういう状況になり、代わりの病院を探します。
 地元に定着している医療機関があれば、皆がそこへ向かってしまうのは必然的なことです。

 災害拠点病院ではないので税による補助などが受けられないため、何千万円もする発電機を設置することは少ないでしょう。1日に数百人の外傷患者を診れるだけの針や糸も在庫していないでしょう。DMATが来るのは早くないでしょう。

 こうした医療機関を支える事ができるのは、地元住民かもしれません。





あなたにも支えらえる

特殊な備蓄

 医師は6年制の医学部を卒業して難関の国家試験を通ったスペシャリスト達です。免許取得がスタートで、日々研鑽を重ねて成長を続けます。

 当然、そこで使われる医薬品や医療機器はもとより、用語も特殊性が高いです。

 こうした物はスペシャリストが関与しなければ備蓄はできませんが、その調達資金については民間からのサポートを受ける事ができます。

 地域住民として、寄付行為として資金を託すことは可能です。



お手伝い隊

 病院の待合室にはボランティアの名札を付けた方々が立っていることがあります。
 あの方々は登録ボランティアで、一般的には研修を受けてから院内で仕事をしています。

 災害に特化したボランティア的なサポートの形も模索できると思います。
 地元婦人会で『職員専用の炊き出しします』や『ウチのお風呂使ってください』など職員向けのサービス提供を提案するのも良いかもしれません。
 男手を集めて仮設テント張りやベッド等の重量物の搬出作業を手伝うことでも医療者の負担は軽減します。

 大災害であれば発災後72時間は病院に留まって診療業務を続ける医療従事者が多く居ると思います。
 OB・OGの医師や看護師らも参集し、地域の医療を総出で守り続けてくれるかもしれません。
 三日三晩、ほとんど休まず働けるような環境整備ができれば、地域住民のケガや病気を診てもらえる環境づくりにもつながると思います。



ウチの機材、使ってください

 現代の医療において停電は大打撃です。
 とはいえ、全館をまかなうには数千万や数億円分の発電機と、大量の燃料備蓄が必要になります。

 工事屋さんや町工場などで発電機を持っておられるところ、少なくありません。
 それを災害時に貸し出す約束ができていれば、医療機関側も受け入れ幅が広がるかもしれません。
 地域の『要』というイメージがある場合、実際には病院の前に地域住民が集まる現象が起こることもあるようですが、病院前は真っ暗闇です。そこを照らす投光器があるだけでも安心感は違います。


 マイクロバスを持っている会社も郊外では多いと思います。駅と会社間のピストン輸送、宴会場の送迎など用途は様々ですが、どれも発災後数日は使わなくても良い場合があります。
 医療機関では遠方の被災していない医療機関に患者を移送したい場合があります。例えば人工透析は大量の水と電気を使うため、安定した場所での治療が優先されます。療養病院では緊急的治療は必要なくても、環境の悪化に対応できず肺炎などを起こしやすい患者がたくさんいます。
 座席さえあれば何とか1〜2時間は移動に耐えられる方々の移送に、マイクロバスがあれば効率よく移送ができます。

 病院のベッドに空きができれば、病院スタッフの激務が少しは緩和されます。





地域とつくる病院BCP

BCP

 BCPとはBusiness Continuity Planの略で、事業継続計画とも呼ばれます。

 大企業では策定率100%を目指し政府も力を入れていますが、医療機関の策定は途上にあります。

 医療機関の難しいところは、平時の自院の医療を継続するのか、地域の求めに応じた災害時医療も含めるのかでBCPの内容が大きく変わってしまうことにあります。



m-BCP

 私たちは研究を重ねた結果、医療に特化したBCP (medical BCP)を開発しました。

 医療の特徴は『発災後に忙しい』ことが1つ挙げられます。

 そして訓練が必要であることも特徴的です。
 消防の避難訓練も立派な訓練ですが、どこか緊張感がありません。
 私たちは、緊張感あるm-BCP訓練も含めた対応策を検討しています。


NES:非常時医療事業継続計画 m-BCP



キーワードは『地域』

 医療機関の利用者は地域住民が半分以上を占めます。
 反対に、地域住民の多くが地元の医療機関を利用します。

 m-BCPを策定する上で、地域との連携やバランスが不可欠になります。

 極端に言えば、地域から求められていないのであれば、災害時に休業しても良い事になります。

 私たちは町丁別・年齢別の人口や近隣施設の状況などから、想定すべき課題や活用できるインフラについて医療機関と話し合います。可能な限り行政や地域住民との懇談会を設けてもらい、互いに要望をぶつけ合います。

 地域住民に協力をお願いすることで、病院側も無駄にならない備蓄ができたり、病院が単独で備蓄せずともよいものが見つかるかもしれません。

医療BCPについては専門コンサルティングサービスをご案内いたします (AmpiTa連携先のNES)





医療備蓄:食料・食糧

職員

 病院で働く職員の食料が無ければ医療の提供が途絶えてしまいます。

 患者用の食事は管理栄養士や調理室が計画的な備蓄をしますが、職員の分は総務課などが担当する場合もあります。

 筆者が勤めていた病院で職員の食料備蓄を尋ねたところ3日分あるとの回答が得られましたが、基準人数を確認すると平日日勤帯の勤務者数が基準でした。
 医療従事者は医療に熱心なので、災害が起これば自然と出勤して来ますし、帰りません。経時的に人数は増えていく事が予想されます。

 また、DMATのように準備万端で応援に駆け付けるようなシステム的なものと違い、市中病院では通りすがりの医者やOG看護師が手伝いに参加することも想定されるため食料の必要量は検討を重ねる必要があります。

 病院の敷地は出入りが自由な場所が多いため、敷地内の屋外で炊き出しを始めると、公の炊き出しと勘違いされ地域住民に提供せざるを得なくなるという事もありますので、屋外調理についてもじっくりと検討すべきです。



患者

 患者は自立して食事を調達することが困難であるため、病院側で用意する必要があります。

 温かい食事が用意できなくとも、療養上必要なカロリーを摂取してもらえるようにします。

 流動食、アレルギー食、糖尿病食など病態に合わせた食事提供も必要になるため、コストが見合えばいくつかの疾患に横断的に提供できるレトルト食品を備蓄しておくと融通がききます。

 地域と連携が取れれば、支援物資に病床数分の患者食をお願いしておくこともできるでしょう。



家族

 患者家族や見舞客の分まで備蓄しておくことは困難です。

 心苦しいところではありますが、入院患者以外は個人で調達するようお願いしなければなりません。

 これは訓練でも重要になりますが、外来患者や見舞客は帰宅難民化してしまい病院ロビーや車中に何百人も居る場合、外部から配給されたスタッフ向けのオニギリが病院の玄関前で無くなってしまうという事態が起こり得ます。
 スタッフの食事は内部で用意出来れば良いのですが、外部からの温かい支援を受けて少しでも労力を減らしたり、ゼリータイプのエネルギー食が続いていたところへの米飯はモチベーション維持にも役立ちますので、スタッフ分が確保できるような状況を創り出すのもBCPに求められる要素です。





医療備蓄:燃料・熱源

電力

 現在の医療に不可欠な電力は何とかして調達したいところです。

 しかしながら多くの医療機関では消防法や建築基準法に則った非常用発電しかなく、復旧が本格化する72時間まではもたない計算となっている施設が少なくありません。

 私たちは臨床業務にそった停電対策を提案しています。

 小型の発電機利用、医療機器の機種変更、治療の原理を利用した物理的・メカ的な方法による治療続行など、研究成果を生かした提案をしています。

ブラックアウト病院BCPについては専門コンサルティングサービスをご案内いたします(AmpiTa連携先)



燃料油

 発電機を動かすには石油かガスが必要になります。

 車両を動かすにもガソリンや軽油が必要になります。

 発災直後、自院では対処できないような外傷患者などが院内で発生してしまった場合、自院の救急車を出して災害拠点病院まで運ばなければならない可能性があります。
 信号がすべて消灯し大渋滞、電柱倒壊で道路は迂回、平時であれば10分ほどの道のりも赤色灯とサイレンを鳴らしても30分くらいかかってしまい、平時以上に燃料消費が多くなります。

 燃料油を調達する手段があるでしょうか。
 ガソリンスタンドへ行っても、優先的に給油してもらえる約束が無ければ、一般車と同じように順番に並ばなければなりません。





医療備蓄:用水・衛生

治療用水

 臨床上、不可欠な水は究極に絞り込めば大した量にならないかもしれません。

 透析用水は1患者1治療あたり100リットル単位なので実施可否はすぐに判明します。

 手術に使う水は薬局から払いだされる蒸留水や生理食塩水なので断水は関係ありません。

 分娩に必要な水(湯)は高置水槽や配管に残った水で足りるかもしれません。

 治療用水の精査が必要です。



雑多に使われる水

 仮定で使われる水道のトイレ・風呂・炊事が約4分の1ずつ、残る4分の1は洗濯や洗面などが入ります。

 医療機関の場合はトイレがと洗面(手洗い)が圧倒的に多くなり風呂や洗濯はほとんどありません。

 トイレの水洗用の水はきれいな上水でなくても非常時は雨水や貯留水も利用できます。
 感染制御の面から流さないという選択はしづらいため、何か流す方法が必要になります。

 手洗いの水が少々やっかいです。それなりにキレイな水である必要があり、洗い流すので量も必要です。



感染性廃棄物

 医療機関独特のゴミです。

 血液など患者の体液が付いたものは全て感染性廃棄物としてバイオハザードマークが付いたゴミ箱で捨てます。

 注射針などは更に特殊な箱に入れて捨てます。

 急な患者増加はゴミの廃棄にも影響します。
 引取業者が来ない場合も影響します。



リネン類

 ベッドシーツなどのリネン類、スタッフのユニフォームなどは院内で洗濯されることなくすべて業者委託という医療機関が多数派です。

 当然、院内には大型の洗濯機はありません。
 洗濯業者が機能していれば良いのですが、機能停止していると洗い替えが届かず、汚れた物を使い続けなければなりません。

 3日も風呂に入らず、エアコンが止まった暑い建物内で働いたスタッフたちのウェア、洗ってあげたいですよね。





医療備蓄:情報・往来

外部との情報交換

 医療機関の情報は『乏しい』というのが実状です。

 災害拠点病院は無線を通じて県庁の災害対策本部からも情報が入るかもしれませんが、市中病院には届きません。
 東日本大震災では災害拠点病院にも情報が届かず、また発信したはずの情報が本部に届いていなかったということもあったそうです。

 外部の支援状況がどのようになっているのか、自院はこのままの体制をいつまで続けなければならないのか、指標や参考となる情報も集められない可能性があります。

 また、災害時に医療を提供するとは考えられていない医療機関が孤軍奮闘していても、県庁や市役所に情報が届かなければ支援は届きません。
 情報発信の方法についても検討が必要です。



内部情報整理

 院内の情報も錯綜します。

 定期的に看護部長や診療部長が院内全体をラウンドして情報を整理できればある程度は把握できますが、スタッフに定時報告を依頼しても各部署で時間軸がズレてしまうため訓練どおりにはいきません。

 逆に大勢いるスタッフに情報を伝達するのも容易ではありません。
 以前、私たちは色付きの旗を掲揚して全病棟に情報を伝える手段を提案したことがあります。看護師さんからは好評でしたが、何の情報をどう伝えるかで意見が割れてしまい採用までには至りませんでした。

 30分に1回でも、スタッフが見れば状況が伝わるような手段で自院のおかれている状況が把握できれば、辛い仕事も乗り越えられる可能性があります。

 例えば外来の様子を、患者が多く座る場所も無いが診療は落ち着いていて新患が少なく、タグの色も赤は少なくなったということが病棟に上手く伝われば、応援の派遣は不要であるとか、災害医療の専門スタッフでなくても大丈夫なので勤務交代を提案できそうであるとか、何かが見えるようになります。





私たちのつくるBCP

停電に特化したm-BCP

 私たちは医療機関の停電対策について長年研究してきました。

 2011年までの研究は『停電しない病院』でしたが、その後は『停電に強い病院』にテーマを変えました。
 特に東日本大震災後に実施された計画停電は、停電に備えていた病院であってもトラブルが発生し、停電に抵抗するのではなく停電を受け入れて対処すべきであることを思い知らされました。

 私たちの研究はあまり注目して頂けるほどの成果を残せてこれなかったのは事実ですが、2018年に相次いで発生した大規模停電により『医療と停電』については関心が高まりました。

 私たちは医療の停電対策について、培ったノウハウや知見を、医療現場に展開する活動を行っています。

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在宅医療も停電m-BCP

 私たちは52時間の本物の停電に被災し、しかしながらエアコンや冷蔵庫を使い続けられる強靭性で対処しました。

 これは、停電しても人工呼吸器が使い続けられる療養住環境づくりを研究し、2013年にその配備を終えていた施設が2018年に被災し、その効果を実証したものです。

 それまでに行ったシミュレーション的な研究結果と違い、実際のアクシデントの中で立ち向かったことで、課題を発見しつつも良い成果を残すことができました。

 被災以降、在宅医療を担う医療従事者からの相談も増えたため、広くコンサルティング活動を開始しています。

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※.当サイトで紹介する情報は災害時の安全を約束するものではありません。参考情報としてご覧ください。


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