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支援物資

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支援物資

 災害等が発生すると全国から様々な物資が送られます。

 近年は『プッシュ型』として大地震などが発生すると現地の要望を聞かずに自動的に物資の発送が始まります。

 次いで、現地の要望を聞いて送る方式が始まります。

 支援者は国など行政機関が行う物と、企業や個人が行う任意のものに大別されます。

 送られる物資は多種多様ですが、発災当初は飲み物やレトルト食品、毛布、衣類など直近で必要となるものが中心となります。



プッシュ型救援物資

 プッシュ型とは、被災地が要請しなくても政府等が送り付ける物資です。

 毛布、水、食料など多くの災害で避難所に必要となる物資です。

 自治体の裁量で配給先が決められますが、物流が不全状態のため『このトラックは××小学校』という程度の振り分けになることもあります。
 また、大規模な避難所については国からの支援が直接届く場合もあります。


内閣府:プッシュ型支援について
内閣府:物資支援参考資料, 熊本地震を踏まえた応急対策・生活支援策検討ワーキンググループ第5回, 参考資料1 (2016年11月14日)



望まれる物資

 被災地で要望される物資には男女差があることが内閣府の調査で明らかになっています。

 我慢できる物と我慢し難いものでも要望が分かれることが明らかになっています。

 乳幼児や妊婦は被災地でのインタビューを受けることも少なく、声が届きにくい現状があり、それが粉ミルクや離乳食を要望する女性が増える要因の1つとなっています。

 望まれる物が現地に届けば、苦しい被災生活も少しはストレスが解除されるかもしれません。

内閣府:備蓄や支援物資に対する要望, 男女共同参画の視点からの防災・復興, 平成24年版男女共同参画白書, p15


支援・寄付(望まれる物資の主要アイテムについてはこちらにまとめています)

食料・食糧生活・生存応急・復旧女性乳幼児・妊婦遊び・学び



望まれない物資

 被災地支援として望ましくない物資があります。

 その代表格が『アルコール』です。

 避難所は集団での共同生活ですので、ある程度の規律や秩序を守っていかなければなりません。
 避難所の多くは小中学校であり、平時であれば酒もタバコも近づけてはならない教育現場です。
 避難所として使用されている間は生活環境ともなるためある程度の許容幅は持たれるものの、酩酊状態の人が居るとトラブルを起こしてしまう可能性があるそうです。

 他にも、新品ではない下着、鮮魚や精肉などの生ものなどは被災地で活かすことができず、最終的にゴミとなってしまっているようです。

 支援物資は善意、送る側は少なくとも送料を負担して発送しているのでまったく悪意はないのですが、被災地側では困るものもあるようですので、何を送るべきかわからないときは被災地の方々に聞くか、義援金などの形でお金を送る方が良いという記事も散見されます。


自殺総合対策推進センター:避難所への支援物資にアルコールを入れないで
産経新聞:高知の町議、酒に酔い避難所宿泊迫る 警察官も加わり問答…岡山・真備 (2018年7月30日)



寄贈品

 善意ある国民から贈られる物資です。
 義援金のような現金が必要になるのは数週間後なので、まずはタオルやTシャツなど身の周りのものを送ってくださる方が多く居られます。
 お風呂に入れないので、重宝されるアイテムです。

 東日本大震災では津波被害が大きかったため、古着であっても重宝されました。
 一方で古着は洗濯されたものであるのか、汚れてはいないか、サイズはどのくらいか、などを確認する手間が新品に比べてかかり、さらに箱単位で同じものが届く新品とは違うため、東日本大震災ほど範囲が広くない災害では新品がたくさん届くため古着の配給は後回しにされている場合もあるようです。

 環境省の資料では『個人の不要物が送られる場合や、大量の支援物資を仕分けや消費ができずごみとなってしまうなどの問題がある』と記載されています。


環境省:支援物資をごみにしないための留意点 (2014年3月31日)



モノ以外

 支援物資として個人が送るものは仕分け困難などの理由から歓迎されないこともあるようです。

 物資以外で被災地が求めるのはマンパワーとマネーです。

 災害ボランティアという形で労務を提供するのが一般的ですが、医師や看護師は学会等がとりまとめて職能を活かす人員派遣を行っています。

 義援金や募金という名の元に集められるマネーは、誰しも投げ銭しやすいものです。
 被災地の事業を継続させるためには消費行動も重要です。被災地の経済が沈み込まないように、地場産業を支える事も考えてみましょう。



てづくり(ゼロ円)

 支援物資は買って送るだけではありません。

 例えば紙薪(ペーパーログ)は小学生でも作れ、製作に使う原材料は新聞紙と水だけです。

 被災地で喜ばれるかどうかはわかりませんが、このペーパーログ(紙薪)を床に敷けば10cmほどの高さを確保できて埃を吸いにくくし、床の振動も伝わりにくく、空気層ができるので熱も伝わりにくくなります。

 紙なので燃やせば固形燃料のようにして使えます。

 新聞紙なので軽く、ゴミとしても捨てやすく、取り扱いやすい一品です。






支援物資の輸送

支援物資の輸送

 支援物資は自らが持ち込まないのでれば物流業者に委託することになります。

 政府系の支援物資が何百台分も運ばれるだけでも平時では想像がつかないほどの物量になります。

 荷物には食品や毛布など濡れたら使えなくなりそうな物も多いため、保管場所も大きな課題となります。

 いつ被災者になるかわからないと思えば、物流について送る側・受け取る側の両面から考えておかなければならないと思います。



熊本地震

内閣府:物資支援参考資料, 平成28年熊本地震に関する対応状況等
内閣府:プッシュ型支援について, 平成28年熊本地震に関する対応状況等
国土交通省:ラストマイルにおける円滑な支援物資輸送の実現に向けた検討を開始します (2018年12月4日)

INTEX大型フレームプール 組立・水質管理・災害時利用 (サイト内リンク)



支援物資物流の課題

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物流司令塔の不在

 災害発生時、市役所などの行政機関は大混乱です。
 人命救助や救護、水道をはじめとする社会インフラの復旧、避難所開設など出勤できた職員には次々と仕事が舞い込んできます。

 物流担当の職員配置がなされていない場合、支援物資は誰が受取り、どこに配送するかを采配する司令塔はどこに置かれるでしょうか。恐らく、無秩序になります。

 支援物資が行きわたらない原因は司令塔の不在と、情報の錯綜の2点が大きな要素となっています。



Disaster

情報の途絶

 被災地の情報をリアルタイムに把握することは困難です。

 避難所は機能しているのか、どれだけの人が流入しているのか、何が足りないのか、市内のローカルな情報すら集める事は大変です。

 全国の数百都市が物資供給に名乗りを挙げ、何百万人もの国民が個人で物資を送ろうとしても、現地のニーズを把握することは容易ではありません。

 2011年の東日本大震災の際、岩手県庁の災害対策本部では避難所にタブレット端末を配備して現況や要望を収集していました。
 比較的時間軸が揃えやすい電子データを活用することで、発災直後は妊婦や乳幼児も避難所に滞在しミルクなどの物資を供給、傷病者の搬送が落ち着いた3日目には乳幼児らを被災していない地域へ移送するといった合理的な計画も立てられます。
 現状では『粉ミルクが10缶欲しい』との要望情報だけが流れますが、いずれは状況判断も加味した物流が可能になると考えられます。

日経XTECH:岩手県と山形県が被災者支援にOSSのSahanaを活用、日本IBMなどが支援 (2011年6月13日)
日本経済新聞:支援物資、スマホで発注 避難所単位で 政府がシステム開発 (2018年8月27日)



役割分担・連携

 南海トラフ地震を想定した政府のプッシュ型支援では品目毎に調整担当省庁が異なります。
 例えば飲料水やオムツなどは厚労省、簡易トイレや携帯トイレは経産省、毛布は消防庁、食料は農水省です。

 被災地側も相応した担当者を配置できなければ物資の供給に支障を来たします。
 また横の連携が取れていなければ無駄なトラックの出入り、偏った物資の供給などが起こります。

 注意が必要なのがオムツとトイレの所管が違い、トイレと水も所管が違い、水と食料も所管が違う点です。
 食料については自衛隊の炊き出しが加われば更に情報整理が重要となります。

 齟齬の無い運用ができれば良いのですが司令塔側が『飲食はあの人』と任せたつもりが『私は給水担当』と思って飲み水に注力していたとなれば、プッシュ型で送られてきた食料は分配がなされずラストワンマイルが進みません。



物流ノウハウ保有人材の不在

 物流網の発達した現在、日頃の物流はバーコードなどID管理されたデータ処理による配送指令が普遍的です。
 被災地以外の国内物流は平常通りデータ管理され荷物と配送ルートを計算し、仕分けされトラックに積載されます。

 一方で被災地では市役所宛の何万個もの荷物が全国から集中し、ロジスティックセンターを仮設したとしても荷下ろしするのが精一杯になってしまい、最終目的地であるはずの被災者や避難所にはなかなか届きません。
 比較的局所的であった熊本地震でも1日に61万食の食料がプッシュ型支援で届いています。

 物流のプロが介入できれば拠点での受入と、避難所等への最終配送が円滑的に行い得ると思われますが、コンピューター化が進めばプロ人材も減少することが予想されます。

 また、物流拠点に優秀人材が配置されても何百もある避難所にはノウハウを持つ人材が不在であっては、せっかくの支援物資も活かされないまま在庫されることになります。



集積拠点機能低下

 全国からの支援物資は『○○市役所宛』として送られてくることが多いです。
 交通規制が掛けられていれば、避難所直送を希望していても集積拠点を経由することになります。

 物資の集積拠点は半日で何百台ものトラックが立ち並び、何万箱もの段ボールが積み上がり、それらを不公平感がないように避難所へ配送しなければなりません。

 集積拠点は物量の増多によりロジスティック機能を低下させます。

 そこに停電や大雨などが発生すれば、さらに機能が低下します。



燃料不足

 物流ではトラック輸送が欠かせませんが、そのトラックには燃料が必要です。

 発災後の被災地では燃料不足が発生し、また渋滞も発生します。物資集積拠点の機能低下により入場待ちの列もできてしまえばトラックが燃料切れになるリスクも高まります。

 燃料不足を理由に被災地への運搬を断る事業者が出てしまうリスクもあるので、燃料の供給情報も重要になります。



時間軸

 プッシュ型支援物資は自動的に送られてくるので当初3日から1週間に必要な最低限の物が揃うでしょう。

 テレビなどの被災地インタビュー映像で『タオルや衣服が欲しい』と流されると、次の日には全国の善意ある国民から少量ずつ小口で同種の荷物が届くことになりますが、それらが集積拠点を通過して被災者の手元に届く頃には要望するものが変わっていることが多くあります。

 この時間軸について詳細に検討して報道されることはないので、朝撮影された映像が夜のニュースで流れている時点で約1日のずれがあるので『被災地の声』と『いまの被災地の要望』は別々に流されると良いと思います。

 SNSも情報の新鮮度や信頼度が計りかねるので、慎重に取り扱わなければなりません。
 熊本地震の際にも私たちが情報交換に使っていたSNSに悪意は無いであろう東京在住の方が『NHKで○○が断水と報道している』などと書き込んでいましたが、書き込まれた時点で断水は復旧していたりと不正確な情報を流してしまっていたので、現場には混乱が広がっていました。



支援物資をごみにしないための留意点(環境省)

Disaster

基本的事項

 被災地への支援としては支援物資を送るという方法も一般的であるが、個人の不要物が送られる場合や、大量の支援物資を仕分けや消費ができずごみとなってしまうなどの問題がある。また、避難所の人数分の数量がないために配布されない問題もある。

 これらの問題を防ぐため、状況に応じて個人から直接送られる支援物資は受入ないことを検討・公表する。

 被災者のニーズを把握し、発信する仕組み、荷解きや仕分けなどの現地での作業負担を減らす仕組みを構築する。



物資支援の留意点

 ライフラインや道路網等の復旧ができていない初期の生活必需物資の支援については、自衛隊等により行われる。ある程度ライフラインや道路網等が復旧した段階での留意点を挙げる。

(1) 大規模避難所や仮設住宅以外の被災者のニーズも把握、発信する
 支援物資の需要と供給のギャップを解消するため、NPO や自治体によって受入を希望するもののリスト、送り先、募集期間などを公表する。

(2) できる限り、現地での荷解き・仕分け・荷づくりの負担を減らす
 現地の作業負担を減らすために、可能なかぎり避難所へ直接配送を依頼し、物資だけでなく車両や人員も要請する。

(3) 必要物資のリストをウェブサイトで管理する
 必要な物資のリストはウェブサイト等で一元的に管理し、支援者が決まった物資をリストから随時削除できるようにすることも効率的な物資支援システムとして期待される。

(4) 個人により求めるものが多様なものについては、個人で選べる形式が望ましい
 現地のニーズは刻々と変化するため、緊急的な支援が終わり、生活や事業活動を立て直す段階になると、個人のニーズが多様になる。そのため、行政等による支援は難しくなるが、多くの財産を失った被災者が全て自身で調達することは困難であるため、NPOや企業と連携した支援を実現し、被災者に知らせることが重要である。

(5) 現地調達で物資支援が可能ならば、経済復興支援の観点からできる限り現地調達を心がける
 被災地の経済復興支援の観点から、ネットショッピングを活用して可能な限り現地調達を行うことが望ましい。

(6) 平等分配にこだわりすぎず、柔軟な対応を心掛ける
 平等に配れないためにその物資が必要な人に届かないことがしばしば見られるが、分配ルールを工夫したり、NPO 等に任せたりするなど、柔軟に必要な人に必要なものを届けられる仕組みを作ることが必要である。

(7) 避難所間の物資情報の共有と循環便による調整の仕組みを作る
 物資情報の共有し、避難所間で物資の偏りがないよう調整する。


環境省:災害廃棄物対策指針 情報ウェブサイト
環境省:支援物資をごみにしないための留意点 (2014年3月31日)
震災がつなぐ全国ネットワーク:中越発「救援物資」はもういらない!? : 新しい善意 (マゴコロ) の届け方: 2008





資料

内閣府

総務省:国土強靭化 民間の取り組み事例集, 08物流施設の設置、機能強化を行う, p148-158 (平成30年6月)



総務省

総務省:災害時支援物資供給機能を兼ね備えた6次産業化コマース基盤構築事業




環境省

環境省:災害廃棄物対策指針 情報ウェブサイト



水産庁

水産庁:東日本大震災, 被災地支援の取組, 平成22年度水産白書



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